2018年認定 日本遺産
【星降る中部高地の縄文世界】
―数千年を遡る黒曜石鉱山と縄文人に出会う旅―
■ストーリー概要
日本の真ん中、八ヶ岳を中心とした中部高地には、ほかでは見られない縄文時代の黒曜石鉱山がある。鉱山の森に足を踏み入れると、そこには縄文人が掘り出したキラキラ輝く黒曜石のカケラが一面に散らばり、星降る里として言い伝えられてきた。日本最古のブランド「黒曜石」は、最高級の矢じりの材料として日本の各地にもたらされた。麓のムラで作られたヒトや森に生きる動物を描いた土器やヴィーナス土偶を見ると、縄文人の高い芸術性に驚かされ、黒曜石や山の幸に恵まれて繁栄した縄文人を身近に感じることができる。
■構成市町村
長野県(茅野市、富士見町、原村、諏訪市、岡谷市、下諏訪町、長和町、川上村)
山梨県(甲府市、北杜市、韮崎市、南アルプス市、笛吹市、甲州市)
■岡谷市の主な構成文化財
●海戸遺跡出土品 (左:顔面把手付深鉢形土器 右:顔面把手)
縄文美人に会う
吊り上がった切れ長の目や上向きの鼻、小さく開いた丸い口、深くくびれた
胴などの美しさは、5000年の時を経て、さらに私たちを魅了してくれる。
●清水田遺跡・黒曜石原石
麓のムラの大きな黒曜石
重さ6.5kgもある巨大な原石。宝ともいえる黒曜石の山から石器を打ち抜いていた縄文人の姿を想像できる。
●梨久保遺跡と出土品
コハク(左)とヒスイの装身具
黒曜石・コハク・ヒスイの分配にかかわったムラ
黒曜石原産地付近のムラ。東西縄文文化交流のなかで、
コハク・ヒスイ・黒曜石といった数多くのブランド品が
集散したことを示している。