令和7年度収蔵作品展「岡谷うまれの小さな版画たち 双燈社版画部会と信濃刀画の会

岡谷市は昭和30年代(1955年~)には「版画のまち」と呼ばれ、学校教育や地域の文化活動を通して、版画に親しむ土壌が受け継がれてきています。本展は、その版画文化を長年にわたり伝えてきた双燈社版画部会と信濃刀画の会、2つの団体を取り上げた展覧会です。

双燈社は、1946年に童画家・版画家の武井武雄が、戦後の人々の生活を物心両面で豊かにしようという志をもって設立した文化団体です。その活動内容は多岐に渡りましたが、その中に版画部会があり、武井を講師として諏訪地域を中心に20名ほどの会員が版画を習いました。版画部会からは、武井吉太郎・小口作太郎など個性的で優れた作家が出て、そのうち小学校教師だった増沢荘一郎は学校教育に版画を取り入れ、全国に広まりました。
双燈社版画部会は10年あまり活動を続けたあと自然に活動を終えました。

その後、増沢荘一郎は1960年頃から岡谷市公民館の成人学校で版画を教えていましたが、その講座の修了生たちが増沢を講師に迎えて1970年に信濃刀画の会を創立しました。会員は最も多い時期で35人が所属していました。同会は2025年、55年間の活動に幕を下ろし、その作品の一部を当館に寄贈していただきました。

本展では、信濃刀画の会より寄贈された版画カレンダーと小作品集、そして双燈社版画部会が制作した小作品集を展示します。
色彩豊かな可愛らしい小作品や工夫の凝らされたカレンダーなど、戦後の岡谷を彩り、現在に引き継がれてきた版画文化の豊かさをご覧ください。

 

会期:令和7年10月23日(木)~令和8年1月6日(火)

休館日:毎週水曜日、祝日の翌日

開館時間:10:00~18:00

入館料:一般420円(290円)、小・中学生180円(120円)

※( )は10名以上の団体料金

※諏訪6市町村に在住・在学の小・中学生、岡谷市内に在住・在学の高校生は無料です