岡谷市出身の彫刻家 武井直也(1893-1940)は、東京美術学校彫刻科在学中から日本美術院展に入選、1924年にはフランスに渡り、グランド・ショーミエールでブールデルに師事しました。1932年には日本美術院同人となりますが、36年に院を離脱、日本彫刻家協会を設立し、翌年より文展でも活躍します。キュビズムを取り入れた作品や、レリーフ、大理石彫刻など、新たな表現方法や材質を意欲的に試み、創作の幅を広げていきますが、47歳で急逝しました。
このように多様な作品を数多く残した武井ですが、その作風の変遷をたどると、その時代の影響を少なからず受けていたことが窺えます。たとえば武井が所蔵していた1920~30年代のヨーロッパの美術雑誌や彫刻作品集からは、武井の作品との共通点を見出すことができます。
本展では、武井直也の彫刻作品を、時代性に着目してご紹介します。また、子息で同じく彫刻の道に進んだ武井斌、同時期にブールデルに師事した清水多嘉示、彫刻講習会で教えを受けた大和作内・小沢重武ら、ゆかりのある郷土の彫刻家の作品も展示し、彼らと比較した直也の個性にも注目します。
会期:8月8日(土)~9月13日(日)
休館日:毎週水曜日、祝日の翌日(8月11日(火))
開館時間:10:00~17:00(コロナウイルス感染拡大防止のため開館時間を短縮しております)
◆関連イベント
■8月22日(土)
講演会「アートの揺籃―大正期の信州諏訪」
講師:黒川弘毅氏(武蔵野美術大学彫刻学科教授、彫刻家・保存修復家)